金投資の手段(現物・ETF・純金積立ほか)(2022.6.11)

生活防衛

国内金価格(円建て・消費税込み)が、土日の数量限定での販売価格になりますが、本日(2022年6月11日)は、田中貴金属が1gあたり8,929円と発表しました。今年4月に付けた史上最高値に肉薄しています。月曜日は最高値を更新するかもしれません。更新は時間の問題だと思います。

インフレの加速と、これも最近、急激に進む円安ドル高も手伝って、国内円建て金価格は今年もじわじわと上昇してきました。原油価格ほどの値動きの派手さは無いですが、「過去最高値」のニュースで、家の奥にしまっておいた、普段使わないようなジュエリーのような金製品を現金に換える人が貴金属買取店に殺到している、みたいな記事も出ていましたね。

そうやって、最高値更新で金製品を売る人もいる一方、新たに買っている人、今でも買い増しをしている人もいます。以前ですと、高くなったら現金化し、安くなったら現金で金を買う、という一方通行的な個人の売買動向があったのですが、今回はどうも様子が過去とは違うようです。

ところで、金を買うと言えば、ジュエリー系製品を買う人もインゴットや金貨を買う人も、長らく、だいたいは貴金属店が購入の窓口でした。今はいろいろあります。

現物金製品でも、実店舗ではなく、ネットショップで買えますし、金そのものに「投資」の意味を持たせるのであれば、貴金属の大手業者に純金購入と同時に保管してもらう方法もあります。いろいろあるので、以下に列挙してみましょう。

  1. 現物(インゴットや投資用金貨)を店舗で買って、手元に置く
  2. 国内外のネットショップ等で金製品を購入して配送してもらう
  3. 現物を買うと同時に買った貴金属業者の専用倉庫で保管してもらう
  4. 「純金積立」等の定額積立兼保管のできるサービスを利用する
  5. 証券取引所で証券会社を通じて上場信託(金ETF)を買う

だいたいは、上記5つで日本で可能なサービスは網羅出来たと思います。

1.は、昔ながらのオーソドックスな買い方で、2.も、ネットを介して注文するところしかほとんど違いません。最近は金もとても高価になってきましたので、通信販売を利用して相手方の銀行口座に振り込む方法が取れれば、現金を持ち運ぶリスクを回避できるので、通信販売を積極的に活用される方も多いかと思います。

3.は、知る人ぞ知る、みたいなサービスで、大都市部でしかお目にかかれないサービスでしょう。店舗で申し込んで、保管料も支払いつつ、そのお店からインゴットを購入して業者倉庫で預かってもらうものです。最大手の田中貴金属はこのサービスの新規申し込みを停止してしまいました。貴金属業者に保管を任せるので、手元に置くよりも安心そうに見えるのですが、果たしてどうでしょうか。

4.の純金積立は、結構数十年前から国内でも存在しているサービスです。最近は、ネットの普及で、自宅に居ながらにして金をはじめとした貴金属の取引ができて便利なので、私も利用しています。商品名は「純金積立」となっていますが、スポット(単発)での売買もでき、専用預り金口座へ振込入金されるなどした金額の範囲内で、当日の価格で金などを1,000円程度からスポット購入でき、売却も1,000円程度から、今まで積立をしてきた金なども含めて、好きな時に売却し、自分の銀行口座に金売却から数営業日で引き出すことも可能です。

5.は、株式投資の経験のある方はご存知の方が多いと思います。証券会社に発注して、リアルタイムの金価格の値動きに連動した金信託証券(金ETF)を売買・保有できるサービスです。今主流の金ETFは、信託受益証券(ファンド)に応分の純金の裏付けがあり、大量の保有者は現物転換引出を請求できたりします(手数料がかかります)。

どのサービスも、直接的あるいは間接的に、純金を保有できていることに変わりはない、そんなふうに見えますが、今の金融システムが今後大きく揺れ動く可能性があると思われるので、結論から申し上げますと、「手元に無いものは『無い』と思え」ということに尽きます。1.~5.の投資方法のリスクも挙げたいと思います。

1.と2.は将来的なリスクは同じようなもので、保管を自分でしなくてはならないのが欠点です。ですが、これからは、「他人に自分の財産を委ねることで生じるリスク」の方がどんどんと大きくなっていきそうに思います。

例えば、これはオーストラリアの大手貴金属販売兼保管業者で起きた事件ですが、保管料を毎年払い続け、金をこの業者から買って預けていたつもりだったのですが、顧客が現物の引き出しを請求したところ、引き出しを拒否されて昨年だったか、大問題になったことがありました。結局、引き出し請求量相当の金を、業者が「お金」に換算して顧客に支払うことになったようですが、現物はもともと存在していなかったかもしれないという、おぞましい事件でした。

そうなると、日本国内においても、3.は安心とは言えない、ということになります。どこの国でも起こり得ることです。

4.も、金を貴金属業者が「預かっています」ということになっています。田中貴金属の純金積立は、現物のままでの引き出しを依頼できますので、今のところは大丈夫ですが、この「純金積立」というサービスについて、自分は「金という無国籍通貨の預金商品」程度にしか思っていません。現物引き出しができるというのは、信頼性が高いことの証明にはなりますが、現物引き出しが不可能になる時が近いうちに来る可能性も、今後あり得ると思いながらやっています。

5.に至っては、「実際には、ETFの裏付けとなる相当量の金が存在しない」という疑惑もあり、例えば、それが本当で事実が表面化したとしたら、金価格との連動をしなくなったり、強制的に一定の単価で償還される可能性も出てきます。最大手の金ETFでそんな感じですから、長期的に金を今後保有しようという方は、手軽さだけに魅かれて手を出してしまうのは危険だと思います。

現時点で、自分が利用しても良いと考える金の購入方法は、おもに1.と2.、それと4.でしょうか。1.~2.は、あまり保管する量が多くなってくれば、それなりのスペースを用意する必要が出てきます。4.を加えたのは、「銀行へ直接預金するよりも安全かもしれない」と思うからです。売却された金の代金は、最終的には銀行口座へ行くわけですが、現行の金融システムが動いている間は、ETFよりもいくらか信頼性もあるので、純金積立口座で金が保管されている前提で、資産の一部をそこに置いておくのは、効率性を考えるとやってもいいかなと思います。ただし、繰り返しになりますが、現行の金融システムと紐づいている商品性ですので、資産配分比率なども考えたいところです。

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